倉庫は借りる・買う、どちらにすべき?メリットデメリットや検討ポイント

新規事業を始める時や事業拡大を行う時には、資材保管や物流拠点などとして倉庫が必要になる場面があると思います。倉庫を賃貸で借りる場合も、購入する場合も、どちらの場合でも大きな費用がかかるためしっかりと検討してから選択することが大切です。また、事業計画などによっても賃貸と購入どちらが適しているかが変わってきます。今回は、事業用倉庫の賃貸と購入におけるそれぞれのメリット・デメリットや検討のポイントをご紹介していきます。

倉庫を「借りる」メリット・デメリット

物流倉庫

まずは倉庫を借りる場合のメリットとデメリットをご紹介していきます。

借りるメリット

①初期費用を抑えられる
倉庫を賃貸することの大きなメリットとしては初期費用を抑えられることです。賃貸の場合も家賃や保証金、火災保険、礼金、仲介手数料など一定の費用はかかりますが、倉庫を購入するために必要な初期費用と比べると抑えることができます。そのため、新規事業などでできるだけ初期費用を抑えたいといった場合には、賃貸で借りる方が向いているかもしれません。

また、毎月の賃料や購入した設備、内装工事などに使用した費用は経費に計上することができます。

②移転など状況に合わせて対応できる
倉庫を使わなくなった場合や移転したい場合など、賃貸なら契約解除ができるので状況に合わせて利用することができます。そのため事業の方針変更や撤退する場合なども比較的早期かつダメージを抑えることができるでしょう。ただし解約においては、契約内容によって数ヶ月前から契約解除通知が必要なこともあるので、契約時には解約時のことも確認しておくと安心です。

状況に合わせてという点では、賃貸の契約ができたら比較的すぐに使い始められるということもメリットといえるでしょう。

③維持費を削減できる
倉庫を購入する場合には、建物(倉庫)や土地の維持・管理費などが発生しますが、賃貸の場合は原則支払いは不要です。契約内容によっては負担すべき費用がある場合もありますが、そうでなければ所有者が負担することになります。また固定資産税などの支払いも不要です。そのため、上述の初期費用に加えて、維持費に関しても費用を抑えられることはメリットといえるでしょう。

借りるデメリット

①使用用途の制限
賃貸なので使用用途は所有者の意向によって、使用用途や稼働時間などの制限を受けることがあります。造作やレイアウト変更、導入できる設備などは事前の確認が必要です。また設置に際して工事が必要な場合も確認が必要となります。

契約前にどのような制限があるか確認することはできますが、契約後、新たに別の設備などを導入したいと思ってもできない可能性もあることには注意が必要です。

②契約更新時のリスク等
賃貸の場合、使い続けるためには契約更新が必要となりますが、更新時に賃料が上がったりまた場合によっては更新できなかったりする可能性もあります。他にも、契約内容が一部変更になることなども考えられます。当初と同じ条件で借りれなくなる可能性があることは認識しておく必要があるでしょう。

また解約時には原状回復が必要となります。造作やレイアウト変更などしていた場合には借りる前の元の状態に戻さなければいけません。原状回復にも費用が発生するため、解約を検討する場合にはこの点も踏まえておくようにしましょう。

③長期間使用する場合は費用対効果が低い
倉庫を使用する期間が決まっている場合などは問題ないですが、相当な期間、賃貸で借り続けると結果的に購入した方が安かったとなる可能性もあります。賃貸は初期費用を抑えられたり維持費の支払いが原則不要というメリットがある一方で、自社の所有物にはならないことはデメリットといえるでしょう。

倉庫を「買う」メリット・デメリット

物流倉庫

倉庫を借りる場合には初期費用を抑えられるなどのメリットがありますが、倉庫を買う場合にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

買うメリット

①資産価値
倉庫を購入することで自社の所有物になり、資産として残ります。将来的には一部を賃貸として貸し出したり、場合によっては売却することで利益を得ることなどもできるでしょう。
また倉庫は資産として減価償却できるため経費に計上することができます。

さらに自社の倉庫となれば、担保としての価値もあります。そのため、金融機関から融資を受ける際には倉庫を担保にすることもできます。自社の倉庫を所有しているということは信用性を高めることにつながるため、倉庫を購入するメリットといえるでしょう。

②使用用途の制限がない
使用用途や稼働時間、レイアウト変更などに制限がなく、自由に行うことができます。賃貸の場合は契約内容によって用途制限があることもありますが、自社の所有物なら途中で用途変更が必要となった場合や工事を行う場合も制限がないので、用途に合わせて自由に使用できます。

③所有する期間が長くなれば費用対効果も高くなる
賃貸はもちろん初期費用は抑えられますが、長く契約を続ければその分賃料も払い続けることになります。一方で倉庫を購入する場合には、長く所有することで長い目で見れば支出は少なくなる可能性が高いでしょう。また上述の通り、自社で使わなくっても貸し出して賃料を得ることも考えられるため、トータルで見れば支出を抑えられる可能性があるでしょう。

買うデメリット

①初期費用が高額
倉庫を購入するとなれば初期費用は高額になります。また土地を買って倉庫を建てるとなればさらに高額になります。そのため費用の負担は購入するうえでの大きなハードルになるでしょう。融資を受けられる場合もありますが、返済していかなければならないので負担にはなってしまいます。また、購入にかかった資金は経費に計上できない点もデメリットとなりうるでしょう。

②維持・管理費がかかる
賃貸の場合は維持費などの支払いが不要でしたが、購入する場合は修繕や点検などのメンテナンス費用が発生します。また固定資産税の支払いも必要です。固定資産税はたとえ倉庫を使っていなかったとしても所有していればかかるものなので、必ず発生する維持費の一つです。初期費用に加えて、定期的なメンテナンス費用や税金などがかかることも把握しておきましょう。

③変化に対応しにくい
事業の拡大や縮小、また倉庫を移転したいなど事業を運営していると様々な変化が訪れる可能性がありますが、倉庫を購入した場合には簡単に手放したり移転したりすることは難しいでしょう。例えば移転するために、倉庫を貸し出すにしてもすぐに借り手が見つからなかったり、売却の場合も同じように買い手がなかなか見つからなかったりすることも考えられます。また上述の通り、倉庫を使っていなくても固定資産税はかかるため、その点もデメリットになりうるでしょう。

借りる場合も買う場合も、考えておくべきこと

倉庫を借りる場合、買う場合それぞれのメリットデメリットをご紹介しましたが、ここでは事前に考えておくべきことをご紹介します。

買う場合は、将来にわたって必要か検討

先ほどお伝えした通り、倉庫を購入すると事業縮小や移転などを検討した場合に、賃貸と比べると簡単に手放せない可能性があります。事業内容によっては数年で需要の変化が起こる場合もあり得るでしょう。倉庫を購入することで自社の資産となるほか、使用用途も制限なく使用できるなど魅力的なメリットもありますが、将来にわたって長期的に倉庫が必要かどうかをしっかりと検討することでリスクを抑えることにつながります。

契約時には「土地」をどうするか検討

借りる、買う、どちらにしても倉庫が建っていればその土地についても必ず検討する必要があります。検討のパターンとしては以下の3パターンが考えられます。

  • 土地と倉庫を両方借りる
  • 土地と倉庫を両方買う
  • 自社の倉庫を購入するために土地を借りる

倉庫を借りる場合において、一つ目の土地と倉庫を両方借りるというのはイメージしやすいでしょう。同様に、倉庫を購入する場合において、土地と倉庫を両方買うというのもわかりやすいかもしれません。

一方で、自社の倉庫を購入するために土地を借りるということについてはイメージしにくいかもしれないですが、中には土地が借地のケースもあります。通常は倉庫を購入すれば土地も自由に使えることが多いですが、土地が借地の場合は借りている状態になるので何かしらの制限があるかもしれません。

また、土地と倉庫を両方買う場合には、その分初期費用も増えてしまうことにも注意が必要です。

交通の利便性を考慮する

倉庫を検討する際に、交通の利便性は非常に重要なポイントとなります。荷物を保管しておくだけの場合にはそれほど利便性を求める必要はないかもしれませんが、出し入れが発生する場合にはトラックなどの大型車両がアクセスしやすい幹線道路に近い場所などが良いでしょう。

また購入する場合には、将来売却や賃貸として貸し出すことになっても交通の利便性が高いエリアのほうが買い手・借り手が見つかりやすくなるでしょう。

ただし賃貸で借りる場合、利便性が高いエリアのほうが良いことには変わりありませんが、その分賃料は高くなる可能性があります。何を優先するかにもよりますが、様々なポイントを総合的に検討することが大切です。

工場倉庫の不動産案件に特化したデポラボ~DEPLAB~

松本産業株式会社が運営する『あいちの工場倉庫ならデポラボ』では愛知県内の工場や倉庫を専門として不動産事業を展開しております。長年愛知県豊田市を中心に地域密着の企業として様々な事業に携わって参りました。これまで培った独自のネットワークを最大限活かし工場や倉庫などの事業用・産業用不動産案件の課題解決を図ることで地域経済の更なる発展に貢献して参りたい、そのように考えております。不動産のことでお困りの際はいつでもご相談ください。

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